鵠の杜舎

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顔の見える家、思いの伝わる家。 

2017-10-02

長雨続きだった8月も中盤を過ぎたものの、まだ蒸し暑い夏の終盤。
これまでイベントの時に来ることが多かったので、何でもない日を見てみたくて、現場打合せにお邪魔しました。

 

家も野菜もすくすく育つ畑

現場の皆さんと、進捗確認から細々とした資材選びまで、膝を突き合わせて話し合うのは、企画・設計監理のブルースタジオさん。

 

 

 

この日は、住戸のネームプレートについても話し合われました。お部屋には番号ではなくて、木の名前がついていて、大きな木にそれぞれの住人が鳥のように集まって暮らすイメージから、鳥をモチーフにしたオリジナルのプレートが制作されるそう。素敵です。

 

 

 

ふと隣の畑を見ると、ご近所の方たちの姿がちらほら。打合せを抜け出して畑仕事を眺めていると、お孫さんを連れたご夫婦に声をかけられました。

 

「何してるの?」
「あ、立派なスイカだなあと思って…」
「ああ、そう。はい、よかったらこれどうぞ」

 

 

なぜか、もぎたてのきゅうりを頂いてしまいました。畑で穫れたばかりのきゅうりはトゲトゲしてるんですよね。お礼に車までスイカを運ぶ手伝いをしたら、最後に「これも持ってきなさい。中身は保証しないけど」と小ぶりなスイカまで頂いちゃいました。

 

鵠ノ杜舎の未来の日常って、こんな感じなのかも。ここの敷地は、もともと貸し菜園だった場所。今でも敷地内を掘り返すと長芋がひょっこり顔を出したりするそうです。

 

夏休みの自由研究は、大工さんにインタビュー

 

 

そうこうしていると、今度は小学生の男の子がお母さんと一緒にやってきました。夏休みの自由研究で、大工さんにインタビューをしたいんだって。

 

 

 

「大変なことはなんですか?」
「なんだろうな?簡単なことはひとつもないね。」

「工夫していることはなんですか?」
「現場はとにかくキレイにすること。他のどの現場にも負けないくらい、とにかくキレイに。
どんなにいい仕事をしても、現場が汚いと、お客さんが来たときに次は頼みたくなくなっちゃうからね」

 

 

 

「楽しいことはなんですか?」
「完成してうまくできたときかな。」

「大工さんになるために勉強したことはなんですか?」
「勉強して大工さんになるんじゃないんだよ。大工さんになってから現場で覚えたんだ」

 

 

 

「工夫しているところはなんですか?」
「現場をきれいにしていることかな。現場が汚いと仕事ができないからね。机が汚いと、勉強できないでしょう。」

 

すかさず「ほら!」とお母さん。

 

 

 

「楽しいことはなんですか?」
「完成したときかな。あとお客さんの笑顔が見られたとき。」

 

 

 

棟梁の小野さんのところでは、実際に工具を触らせてもらいました。「大工さんが測るときは、全部“寸”なんだよ」と教えてもらって、サシガネ(大工さんが使う金属の物差し)に興味津々。

「楽しいことはなんですか?」
「つくっているときより、お客さんが喜んでくれたときに初めて『ああよかったな』と思うんだよ。」

 

 

 

「人の顔の見える家」をつくりたい。

日常の現場を見て感じたのは、「みんなすごく楽しそうに家をつくっているな」ということ。どうしてこんなに楽しそうなのでしょうか? 企画・設計監理を担当したブルースタジオの平宅さんと、アシスタントの寺田さんに話を聞きました。

 

 

ブルースタジオが特徴的なのは、いわゆる建物のデザインをする設計事務所ではないこと。こんな暮らしをするにはどんな住宅だったらいいのか、コンセプトから企画し、その世界観を実現するためにはウェブサイト、ロゴ、サイン、パンフレット、さらに上棟式や餅つきなど、入居者や地域をつなぐイベントまで手がけてしまうこと。

 

平宅:「ブルースタジオは新しい暮らし方を提案する会社なので、建物を設計するだけの会社ではないんです。その場所で起きる新しい暮らし方や、そこで生まれる発見といったものを提案するのが仕事です」

 

――新しいライフスタイルの提案は、いつもどのように考えるんですか?

平宅「最初は“この場所ってどういう場所だろう?”ということを探るために、まちを歩きます。普段の暮らしではバス使うのかな?自転車のほうが楽しいのかな?といったことを実際に体験してみたり、そのまちに住んでいる面白い人を訪ねたり。その中で発見した“夏には花火が見えるんだ”とか“畑をしたら楽しそうだな”といったエッセンスを、住まいに反映していくんです。」

 

寺田:「一般的に、住宅の企画では“こう見せたらかっこいい”とか、”こう見せたらお客さんがつく”ということが議論されがちです。でもブルースタジオは、”ストーリーや共感を生む”ということをすごく大切にしていると思います。」

 

 

 

―どうして、そういった違いが生まれるのでしょう?
寺田:「ビジネスである以上、もちろん収益を上げるのは大切です。でもブルースタジオは入居者さんもお施主さんも地域の人も大切にしたい。入居者さんに喜んでいただくことで、お施主さんにもきちんと収益が出るし、私たちも嬉しい。」

 

平宅「なんか欲張りな感じがするよね。みんな喜ばせたい。自分たちも楽しくないといやだし、住む人にも喜んでほしいし、オーナーさんにも喜んでほしいし。でも、一緒に喜んでもらえない人とは協働できないかもしれないね。」

 

 

 

――鵠ノ杜舎のコンセプト「暮らしを耕す舎(むら)」は、どのように生まれたんですか?

平宅「この場所に来て、ここに立って感じたことが一番の理由ですが、鵠沼といえば「湘南」、海というイメージが一般的ですよね。でも、ここにある「湘南」は里の風景なんです。畑が広がって、榎の大木があって。
そういう、“海だけではない湘南の魅力”をちゃんと伝えられる暮らしができそうだと考えました。

 

――鵠ノ杜舎をつくる上で、特に大事にしてきたことは何ですか?

平宅「ぼくが大事にしているのは、“人の顔が見える”こと。住んでいる人と周りの人たちが自然と顔を合わせるような設計もそうですし、できあがった建物もそうです。

 

壁には左官職人さんの手仕事が見える塗り壁を採用しています。木の肌が見えるのも、鉄骨が見えるのも、すべての職人さんの手の跡が見えるようにしたいから。特に玄関のドアなど人の手が触れるところは本物の素材にこだわり、つくってくれた人の気持ちが伝わるようなものを目指しました。」

 

 

 

寺田「私は設計に関してはまだまだ平宅さんの見習いですが、内覧に来た方がここでの生活を想像したときに、“ああ、いいですね”という言葉を言ってもらえるにはどうしたらいいか考えることを、大事にしています。

 

前職で不動産会社に勤めていたとき、共感してもらえる方に入居していただくには、“いいですね”っていう言葉をたくさんもらえるのが一番大切だと感じていました。だから入居希望者の方がどんな暮らしをしたいかお話をしっかり聞きたいし、私からは“もっとこんなこともできますね”とイメージを膨らませるお手伝いができるといいなと思います。」

 

いい家は、楽しい現場から生まれる

平宅さんは故郷である香川でアトリエ系設計事務所に7年間勤め、小学校から住宅、コンクリート鉄骨木造まで現代建築の設計を幅広く手がけていた設計士。一方で五重塔といった文化財の学術調査、修理設計などにも携わっていました。

 

平宅:「もともと勤めていた会社も、職人さんをすごく大切にしていました。僕は図面を引いたらボスではなく、図面を持って直接、職人さんに相談に行っていました。

そうやって職人さんから“これじゃあ雨漏るよ”とか、“こんなんじゃ塗装できないよ”とか、教えてもらいながら図面を直していました。すごく怒られもしたけど、職人さんに育ててもらった。だから職人さんを大事にしたいし、顔の見える現場にしたいんです。」

 

一方、寺田さんは建築学科を出た後、「建物が出来てから後のことを知りたい」とデザイナーズ物件専門の不動産仲介会社で経験を積みました。
鵠ノ杜舎での暮らしを想像したブログを書いたり、現場で起きていることを伝えるFacebookでのチャーミングな投稿も、ほとんどが寺田さんによるもの。

 

  

 

 

――寺田さんの投稿すごくいいですよね。どういうことを考えてやってるんですか?

寺田「いちばん大切にしているのは、入居希望の皆さんにとってここでの暮らしのイメージが湧けばいいなということです。
でも、こんな風にみんなで畑を作ったり、職人さんたちが気さくに話してくれたり、“みんな楽しみながらつくっているんだよ”ということを知ってほしいな、と思いながらやっています。

 

職人さんも毎日Facebookの投稿を見てくれていて、絶対に『いいね!』は押さないんですけど(笑)、現場で“今日は絶対に壁の下地だと思ったのに、なんで野菜なの?!”とか、ツッコんでくれる。

 

それと、職人さんのご家族が見てくださっているそうなんです。それを聞いて初めて、最初はリーシング(入居者募集)のためにやっていたことが、大工さんのご家族だったり大工さんご自身にも伝わるんだとわかって、私の投稿も少し変わった気がします。」

 

  

ここに住む人も、現場に参加してほしい

2017年11月に第一期(一棟目)ができますが、第二期・第三期(二棟目・三棟目)を含む「鵠ノ杜舎」全体の完成は2018〜2019年。つまり、第一期の入居者の皆さんは、住んでからお隣に家が建っていくことに。

 

寺田「二期・三期は住んでる方もいる中での工事になるので、棟上げや餅つきも一緒にしたいなと思っています。」

 

 

――それはなかなかない、進化系の現場ですね…!おもしろい。

寺田「すでに決まっている第一期の入居者さんが“1階でカフェをしたい”とおっしゃっていて。現場のランチもそこで食べられるので、楽しみです(笑)」

 

「あたりまえ」のまちの風景になりたい

――実際に人が住み始めて、こうなっていったらいいなと思い描いていることはありますか?

平宅「むりやり、というわけじゃないんですけど、ぼくは鵠ノ杜舎が『まち』や『むら』みたいなものだと思っているから、誰もが普通に歩いている、まちみたいな風景になればいいなと。

 

今このあたりを走り回っている子どもたちが鵠ノ杜舎の敷地を走り回っていたり、ご近所のおばあちゃんが敷地内の道端で入居者と話していたり。
身の周りにある道路や空き地と同じように接してもらえる、あたりまえの場所になればいいなあ。」

 

 

 

寺田「敷地の真ん中に、みんなが集える広場ができるのですが、そこで入居者さんとご近所さんが一緒に“ごはん会”をしている景色なんか見れたら、最高ですね。

 

ここに住んでいる人と元から畑を借りている人が、隣の畑で出会ったりして。畑を始めたばかりだと自分ではわからないことがあるから、ベテランさんに聞いたりして、会話が生まれると思うんです。

 

そしたら、ここの水場で野菜を洗ったり、物々交換したり。鵠ノ杜舎は柵もありませんから、畑の中だけにとどまらず、ぜひこっちに入ってきてほしいですね。」

 

地元の夏祭りも、生活のワンシーンに

この日は折しも、鵠ノ杜舎のある神明の鎮守様・烏森神社こと鵠沼皇大神宮のお祭りの日。
現場が終わってから、平宅さん・寺田さんと一緒に出かけてみました。

参道には屋台が並んで、大人から子どもまで、地元の方たちで境内は大にぎわいです。

 

 

 

 

なんといっても見どころは、100年以上前につくられたという9台の人形山車。3層式の山車は頂上に誰もが知るような歴史上の人物(人形)が立っていて、これらの人物の物語を表現しているのだそう。真ん中の層ではお囃子が演奏され、屋根の上ではひょっとこやおかめ、獅子の舞がアクロバティックに繰り広げられます。

 

 

古くから続くお祭りのあるまちって、いいですよね。平宅さん・寺田さん自身のこんな体験もきっと、鵠ノ杜舎の暮らしに欠かせないワンシーンとして、住まいの提案に織り込まれていくに違いありません。

 

 

内覧会では平宅さん・寺田さんにも現地で出会えます。
ぜひ、彼らから直接、鵠ノ杜舎での新しい暮らし方を、聞いてみて下さい。

 


10/5(木) 完成内覧会 開催!

9月末の村づくりの第一期工事が完成にあわせて、完成内覧会が開催されます。

 

【竣工内覧会詳細】
日時:2017年10月5日(木) 11:00〜15:00
会場:神奈川県藤沢市鵠沼神明5-5-20(湘南高校裏)【map
説明会:
下記2回の時間帯で、丸山アーバン代表取締役西山和成とブルースタジオ専務取締役大島芳彦が物件の詳細、シリーズ商品に掛けるヴィジョンについてお話いたします。

▶︎第一回:11:00~12:00 

   第二回:13:00~14:00

 ※予約制
事前登録:ご来場の際は、お手数ですがこちらより事前にご登録くださいませ。

 

▶︎お申込フォーム:

 https://form.bluestudio.jp/webapp/form/11648_agr_141/index.do
ご注意:駐車場のご用意はございませんので、公共の交通機関でお越しください。

 

【同時開催】

「稜文舘」内覧バスツアー

 ※人数限定・予約制

ご希望の方には、「nezasu house」第一弾として神奈川県大磯町に2017年2月開業した「稜文舘(りょうぶんかん)」を鵠ノ杜舎からバスでご案内致します。この機会に是非とも合わせてご参加ください。
※所要時間:約1時間30分
14:00  鵠ノ杜舎出発〜

(途中トイレ休憩15分・移動30分)〜
14:50   稜文舘到着後説明会〜

15時30分大磯駅解散
※稜文舘過去のリリースはこちら